
結論:AEO対策の最初の一歩は、お客様から実際によく聞かれる質問を集めて、短い答えと一緒にページにすることです。手順は5つです。①質問を集める ②絞る ③答えを結論から書く ④載せる場所を決める ⑤公開後に見直す。特別な技術は要らず、自社で今日から始められます。
「AEO対策が大事らしい」と聞いても、具体的に何をすればよいのか、迷う方は多いと思います。実は、いちばん効果が見込めて、いちばん始めやすいのが、「よくある質問(FAQ)」をきちんと作ることです。この記事では、中小企業が自社でできるように、質問の集め方から、答えの書き方、公開後の見直しまでを、順番に説明します。AEOそのものの意味やSEOとの違いは、AEOとは何か、SEOとの違い、7つの対策を解説したコラムで説明しているので、ここでは「作り方」に絞ります。
なぜ、「よくある質問」が、AEO対策の最初の一歩になるのですか?
AIや検索の回答は、利用者の質問に、そのまま答えているページを材料にしやすいからです。「質問」と「答え」がペアになっているFAQは、その形にいちばん近い書き方です。しかも、お客様が実際に聞いてくる内容なので、利用者が検索する言葉とも、重なりやすくなります。
もちろん、FAQを作れば必ずAIに引用される、というものではありません。ただ、「利用者の疑問に、先に、分かりやすく答えておく」ことは、検索でもAIでも、変わらない土台です。
FAQの作り方は、どんな手順ですか?
流れは、次の5つの手順です。1つずつ、見ていきます。

- 質問を集める:実際に聞かれたことを、書き出す
- 質問を絞る:多く聞かれるものと、迷いを解くものを選ぶ
- 答えを書く:結論から、短く、条件も添える
- 載せる場所を決める:専用ページと、関連ページの両方に
- 見直す:公開後も、新しい質問を足し、古い答えを直す
手順1:質問は、どこから集めればよいですか?
頭で考えるより、実際に聞かれた言葉を集めるほうが、役に立ちます。次の場所から、質問を書き出してみてください。
| 集める場所 | 見つかる質問の例 | 集め方 |
|---|---|---|
| 電話・窓口での問い合わせ | 「料金はどうなりますか?」「どのくらいの期間かかりますか?」 | 担当者に聞き取り、メモを取る |
| メール・問い合わせフォーム | 初めてのお客様がつまずく点 | 過去のやり取りから、繰り返し出る質問を拾う |
| 商談・打ち合わせ | 契約前の不安、他社との違い | 営業担当に「よく聞かれること」を3つ挙げてもらう |
| 社内の新人・若手 | 初めて聞く人が引っかかる点 | 「分かりにくい」と感じた言葉を聞く |
| AIへの質問 | 自社の分野で、利用者がAIに尋ねそうなこと | ChatGPTなどに、自社の分野の質問を入れてみる(答えをそのまま使わず、質問の参考にとどめる) |
最初は、完成度を気にせず、思いつく限り書き出すことが大切です。お客様の言葉づかい(「見積もり」「いくらくらい」など)は、そのまま残しておくと、あとで見出しにしやすくなります。
手順2:集めた質問は、どう絞ればよいですか?
最初から多く載せる必要はありません。目安は、まず5〜10個です。次の順で選びます。
- 何度も聞かれる質問:回数が多いものから選ぶ
- 契約や購入の前に、迷いやすい質問:料金、期間、進め方、できること・できないこと
- 答えが、はっきり言えるもの:事実として確かめられ、会社として責任をもって答えられるもの
似た質問は、1つにまとめます。逆に、実際には聞かれない質問を、数を増やすために作るのは避けましょう。不自然に増やしたFAQは、読む人の役に立たず、信頼も下げてしまいます。
手順3:答えは、どう書けばよいですか?
答えは、最初の1〜2文で、結論を言い切るのが基本です。そのあとに、理由や条件を短く足します。

| 項目 | 分かりにくい答え | 分かりやすい答え |
|---|---|---|
| 書き出し | 「場合によりますので、まずはご相談ください」 | 「ケースごとに異なりますが、基本は〇〇です」と先に結論を言う |
| 長さ | 1つの答えが長く、何が結論か分からない | 結論は1〜2文。補足は、その後ろに |
| 条件 | 例外や条件が書かれていない | 「ただし、〇〇の場合は△△です」と条件を添える |
| 言葉 | 社内用語や略語のまま | 初めての人にも分かる言葉に直し、略語は説明する |
| 数字・料金 | 確認していない数字を載せる | 確かめられたものだけを載せる。決まっていなければ「個別にお見積もり」と書く |
もう1つのコツは、質問の言葉を、答えの中でもう一度使うことです。「納期はどのくらいですか?」という質問なら、答えの書き出しを「納期は、〇〇が目安です」とします。AIが「この答えは、この質問に対するもの」と読み取りやすくなり、人にも親切です。
手順4:FAQは、どこに載せればよいですか?
1か所にまとめるだけでなく、関連するページにも置くと、読まれやすくなります。
| 載せる場所 | 向いている質問 | ポイント |
|---|---|---|
| 専用の「よくある質問」ページ | 会社やサービス全体に関する質問 | 質問を分類(料金・流れ・サポートなど)して並べる |
| サービスや商品のページの下 | そのサービスに限った質問 | ページの内容と、質問が一致するようにする |
| コラム記事の末尾 | 記事のテーマに関する質問 | 本文で触れきれなかった疑問に答える |
| お問い合わせページの近く | 問い合わせ前の不安 | 「問い合わせる前に確認できる」位置に置く |
どの場所でも、質問は見出し(または太字)、答えはその直後の段落、というペアの形を守ってください。形がそろっていると、人にもAIにも、読み取りやすくなります。
なお、FAQの内容を検索エンジンに伝える「構造化データ」は、ホームページの作りによって、自動で出力される場合と、別に設定が必要な場合があります。自社のサイトがどちらか分からないときは、制作会社や専門家に確認すると安心です。
手順5:公開したあとは、どう見直せばよいですか?
FAQは、作って終わりではありません。次の3つを、定期的に行います(頻度は、会社の状況に合わせて決めてかまいません)。
- 新しい質問を足す:問い合わせで、新しい質問が出たら、その場でメモして、FAQに加える
- 古い答えを直す:料金・サービス内容・営業時間などが変わったら、すぐに答えも直す。古いまま放置された情報は、信頼を下げる原因になる
- 効果の手がかりを見る:Search Console で、FAQを載せたページの表示回数・クリック数の変化を、数週間〜数か月のスパンで確認する
効果の確かめ方は、AEOコラムの「AEOの効果は、どうやって確かめますか?」でも紹介しています。
FAQを作るときに、避けたい失敗は何ですか?
| 失敗 | 起きること | 対策 |
|---|---|---|
| 質問を、実際より増やす | 読む人の役に立たず、信頼も下がる | 実際に聞かれた質問に絞る |
| 答えが、あいまい | 「結局どうなのか」が伝わらない | 最初の1〜2文で、言い切る |
| 確認していない数字を書く | 後で問い合わせやトラブルになる | 確かめられた内容だけを書く |
| 他社のFAQを、そのまま写す | 自社の事実と合わず、信頼を失う | 他社の例は参考にとどめ、自社の言葉で書く |
| 作ったまま、更新しない | 古い情報が残る | 変更があったら、その場で直す |
| AIが作った答えを、確認せず載せる | 事実と違う内容が載るおそれがある | 下書きに使うのはよいが、必ず担当者が確認する |
AIを文章づくりの補助に使う場合の社内の決めごとは、生成AIの社内ルールの作り方で、まとめています。
よくある質問
Q. FAQは、何個くらい載せればよいですか?
決まった数はありません。まずは、実際によく聞かれる質問から、5〜10個を目安に始めてください。問い合わせで新しい質問が出るたびに足していけば、自然に充実します。
Q. 専用のFAQページと、各ページの下と、どちらに載せるべきですか?
両方をおすすめします。会社全体に関わる質問は専用ページに、そのサービスに限った質問は、サービスのページの下に載せます。同じ質問を複数の場所にそのまま書くより、場所に合う質問を選んで載せるほうが、読みやすくなります。
Q. 答えを、AIに書いてもらってもよいですか?
下書きとして使うのは、よい方法です。ただし、AIは事実と違う内容を、もっともらしく書くことがあります。料金・期間・条件などは、必ず担当者が確認してから載せましょう。
Q. FAQを載せれば、AIの回答に必ず引用されますか?
いいえ。必ず引用される方法は、ありません。ただし、利用者の疑問に分かりやすく答えるFAQは、検索でもAIでも、取り上げられやすくなるための基本的な土台です。効果は、数週間〜数か月の変化で見ましょう。
Q. 自社だけで、できますか?
質問を集めて、答えを書くところまでは、自社でも進められます。ホームページへの載せ方(ページの設計や構造化データの設定)は、専門家に任せると、効率的です。
まとめ:まずは、「聞かれたこと」を、5つ書き出すところから
FAQ作りの手順は、集める・絞る・結論から書く・載せる場所を決める・見直すの5つです。完璧を目指さず、まず、直近で聞かれた質問を5つ書き出して、結論から答えを書いてみてください。それだけでも、お客様にも、検索やAIにも、伝わりやすいページになります。
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